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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 3
て、 少し説
森本
コホート研究
危険因子を有する
始時点で確認し、 そ
の罹患率や死亡率を比較
回の課題では
10年間のデータを用いていま
す。
75g0GTT
とは
75g
のブドウ糖を経
口投与して、 そのブドウ糖の負荷
の血糖値の反応や、 インスリンの反応
査するもので、 インスリンの分泌能や抵
性を評価できます。
谷川
データ規模は、 かなり大きいですね。
森本
ドック自体の受診者は年間
13,
000
名程度で、 そのうち
75g0GTT
受けている方は5, 000名位います。
10年
間分ですと延べ約
50, 000
名位になり
ます。
尾松
このようなデータは他の病院にもあ
るのでしょうか。
森本
これだけの規模で行っているものは
ほとんどないと思います。
臨床での経験や直面する課題も研究テーマに
尾松
さて、 各先生から多様な研究内容につ
いてお話ししていただきましたので、 研究
を始めるきっかけなどについても伺ってい
きましょう。 村木先生、 いかがでしょうか。
村木
まず、 色覚についてですが、 専門に診
療しているところは非常に少なく、 本学
は山出新一元助教授がされていました。
た、 色覚の遺伝子研究は生化学? 分子生物学
講座の上 久雄准教授がされていました。
その下で 私は最初、 先天色覚異常に関係す
る錐体細胞 遺伝子研究をして博士号を
取得しました。 その後杆体一色覚の研究も
行っています。
尾松
森本先生は、 糖尿病患者の看護を専
門にされていたのですか。
森本
本学附属病院の循環器内科で働いて
いた際に糖尿病の方が多く、 糖尿病の発症、
進展、 合併症予防に関わっていきたいと思い
ました。 日本人の糖尿病患者は欧米の糖尿病
患者に比べて肥満度がかなり低いというと
ころから分泌不全に関心をもちまし
た。
尾松
小嶋先生は、 麻酔科医として、 中枢神
経ではなく、 心臓に興味を持たれたきっか
けは何でしょうか。
小嶋
高齢化も進んできて狭心症や冠動脈
疾患をもつ方が手術を受ける機会も年々増
えています。 虚血再灌流傷害から臓器を保
護する作用のある麻酔薬を使うことで、 周
術期の虚血 できれば、 と
とにしました。
尾松
周術期には心臓に急
ることがあるのですね。
小嶋
周術期でも覚醒時には虚血
こりやすい 言われています
激に覚めると、 交感神経も緊張し
血圧が上がったり、 脈が速くなったり
虚血発作が起こりやすい状態になります
このような状態を抑えることができるよう
な、 麻酔薬や麻酔方法を考えることが重要
となります。
谷川
ところで、 先日講演会があって、 両親
が理系だと、 女子学生も理系に進む傾向が
あるといった話がありましたが、 研究の道
に進まれるのに、 ご両親の影響などはあり
ましたか。
森本
私は親が工学の研究者だったので研
究者を志 面がありますが、 大学生の時
に教えていただいた先生方の影響もありま
す。 研 に関心のある学生が増えていって
ほしいと思っ ます。
谷川
国も女性研究者の裾野を広げよう
と、 大学はも より、 中学?高校生がどうす
れば目指すようになるかと試行錯誤して
います。
尾松
本学の女子学生の割合は他の大学と
比べてどのくらいでしょうか。
谷川
医学科は現在
40%くらいで、 全国的
にも同じくらいだと思 ます。
尾松
看護学科は1学年
60名で、 ほとんど
女性だと思います。 医学科と合わせると1
学年で女性がおよそ100名いることにな
りますね。
優秀賞 眼科 講師 村木早苗
研究課題 「杆体一色覚で見出された網膜錐体cGMP依存症カチオンチャネルA3サブ
ユニットのミスセンス変異の機能的解析」